あらかわ福祉体験広場報告

2002.03.09

荒川土手に車いす体験乗車コースがあると知り、バリアフリー調査の一環として見学に行ってきました。最寄り駅は都電荒川線「熊野前駅」でそこから徒歩で約10分のところにあります。
管理人の話によると、この施設は国土交通省の管理下にあって体験者の声を吸い上げるのが主な目的のようです。
利用者の大半は小・中学生で、特にカリキュラムの関係か小学校5年生が平日にバスに乗ってやってくるということが多いようです。一般の人には基本的に土日祝祭日のみ開放されているようです。 家の改築を検討している家族が、建築業者と一緒に来て、車いすで坂道を体験したり、階段を確かめたりしたこともあるようです。 また、石狩川や熊本の土木業者がやってきて、参考にしていくこともあるそうです。



コース紹介


コース案内板

第1ステージ:通路の幅員の体験
路面幅の種類=0.8m、1.2m、1.4m、2.0m、3.0m

舗装面の幅は狭いのですが、両サイドに壁、柵などがないためそんなに難しいと感じることはありませんでした。このコースでは直線ですが、カーブしている場合は難易度が格段に上ると思います。
円形舗装の直径=1.2m、1.5m、2.0m
1.2m、1.5mの円の中で方向を変えようとすると、その場で回転しなければならず微妙な操作が必要になります。2.0mの円の場合は通常のカーブを行く要領で回転することができます。周りが壁、柵などで囲まれている場合は更に微妙な操作が必要となってくると思います。


第2ステージ:段差・溝の体験
コース一番手前に鉄道の踏切にある溝と同じ幅の溝が存在していたのですが、溝自体の幅も広くなく、また溝に雑草が生えていたため見落としてしまいがちです。私達はアンケートを見て始めて気付いたといったレベルでした。


段差の種類=1cm、2cm、5cm、すりつけ付き5cm、10cm、すりつけ付き10cm、 20cm、すりつけ付き20cm
自力では5cmを上るのがギリギリです。10cm以上になると介助が必要となってきます。ただ、すりつけがあると10cmでも自力で上ることが不可能ではないというレベルになります。
20cmは介助付きでも予想以上に大変で、自力ではすりつけ付きでも上ることは不可能です。後輪を上げる時重心が後ろに行くため転倒の危険性があり結構恐いです。
すりつけの効果については、すりつけがあると前輪を上げるのが楽になります。かといって、段差の問題を解消したわけではないので、すりつけ=バリアフリーとは言いがたいです。やはりスロープ化が求められると言えます。

参考データとして、道路の縁石の高さを測った結果。白線で歩道と車道を分けている道の場合、道路側面の縁石の高さは約8cm、片側1車線道路の歩道・車道間の縁石の高さは約15cm、片側2車線の国道の歩道・車道間の縁石の高さは約20cmとなっていました。つまり、後の2つの型の道路では車いす利用者が自力で縁石に上ることができないと言う事になり、介助付きでも大変な困難が予想されます。


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