残暑が厳しいなか、新宿という大都心の中にあるバリアフリーを活かした住宅を作るためのショールームへ見学に行きました。 このスペースは 松下電工が開いている場所で、実際に購入を考えている方が訪れることが多いようです。 また一方で、学生や民間の方が実体験をするために来場する場合も同じくらいの割合で訪れるようです。 |
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一般的に「3尺の廊下」といわれている幅78cmの廊下です。 立って歩くと狭さを感じませんが、車いすに乗ると幅の狭さを感じます。 車いすで移動するには 最低でも幅90p必要ということが通説だそうです。 私たちも体験乗車をすると、たった12pの差でしたが その違いが大きく感じられました。 特に曲がる時が その廊下の幅の便利さを感じられる瞬間でした。 狭いと壁に手があたったり、タイヤがぶつかったりして何度も切り返しをしなければなりませんでした。 スムーズに移動を行なうためには 幅90pは必要なのです。 また、普通の壁のままだと足置きなどが当たってすぐにボコボコになってしまうそうで、その点の配慮も必要のようです。 |
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上写真の通路を曲がると、次に段差をクリアする場面になります。 写真にあるものは 3pでした。3pというと 何のこともないような印象を受けますが 実際は大変な力が必要でした。 段差を超えるためには、車いすの背もたれに体重をかけなければなりません。 その時に、力が偏りすぎると転倒してしまいます。少しの恐さと微妙なバランスで越えるのです。 車いすに慣れていても段差越えは難しいです。 私たちが越えようとしたときは、かなりの恐怖感と戦いながらでした。 この程度で難しさを感じるのですから、外出するのは想像以上にハードルの高いものなのです。 |
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左の写真は福祉の現場で一般的な1/12(12mで1m上がる角度)と言われる車いす用のスロープです。 しかし、歩いてのぼるとたいしたことのないこのスロープも車いすに乗ってのぼろうとするとかなりの急斜面であることに気づきます。 しかし、日本の家事情から考えるとこのスロープを道路から玄関の間に設置することは難しく、庭にスロープを回すことなどもリフォーム時には考えるそうです。また、スペースがない場合は奥に見える車いす昇降機を設置することになります。 |
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この洗面台は、車いすに乗ったまま使用出来るように設計されてあります。工夫点は主に3つあります。 1.洗面台の器部分に薄い素材を用いていること。 2.膝が入るように配水管が奥まったところに設置されていること。 3.肘が洗面台の中に入って水が下に垂れないようにしていること。 また、車いすを使用することとは直接関係ありませんが、使用される方に応じて、蛇口を押すだけ開閉ができるような工夫もなされていました。 このように、現在では誰もが使いやすいように工夫されており、また各々の希望に応じたものをオーダーできるようになっています。 |